デザインの風

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#04 いいデザインのコツ、なんてことを書いてみる

こちらは2022年6月に弊社メールマガジンに掲載された記事の再掲です。

たまには実用的な話も書かなくては。ということで、広告とまではいかなくとも、企画書やプレゼン資料など、デザイナーに依頼するほどではない、あるいは予算の関係、社外秘のミッションといった事情で自分がつくらざるを得ない。そんなときに「プロはだし」のペーパーやスクリーンに、できるかもしれない「デザインのコツ」なんてことに挑んでみる。

文字サイズだけで締まったデザインに

人間は大きい文字を先に認識する。なので文字要素である大見出し、中見出し、小見出し、本文、キャプション、ロゴ、連絡先などすべての文字要素に大小の差をつけると読みやすい。ただし、ロゴ以外のフォントは1種類(標準的な明朝体かゴシック体)で頑張ってみる。そして、各要素のサイズの差は2pt(ポイント)以上とする。本文が10ptだとしたら、小見出しは12pt 以上、注釈やキャプションは8ptか7pt。大見出しの下にサブ見出しをつける場合は2分の1以下が締まってかっこよくなる。本文の行間は半角アキ〜全角アキ(文字サイズ10ptなら5〜10ptアキ)が良い。シャドウや縁取りはむやみにつけない、というかぐっと我慢する。

色を使わないことで格調高く

カラーが自由に使えるからといって、色を使わなくてはいけないというものではない。写真や図版以外はとりあえずモノクロで頑張ってみたい。カタログやWebサイトでも、商品が高品質そうに見えるページは、商品写真以外にはあまり色を使っていないはずだ。デザイナーでもよくあるが、文字や背景に色をつけ始めると、だんだんと格調が失われて行きがちだ。ちなみに、20年くらい前まではカラー印刷(4色刷り)とモノクロ印刷(1色刷り)では、印刷費用に大きな差があった。「せっかくカラー印刷なのだから色を使わないともったいない」と、ちょくちょく発注元から言われたものである。気持ちはわかるが・・・。現在は、大量部数でなければカラーとモノクロの印刷料金の差はあまりない。むしろCMYK以外のインクの1色刷りはカラー印刷より高いくらいである。

カラーのデザインでなんかしっくり来ないときは、モノクロでプリントして見てみるのもいい。全体をグレースケールで見ると、濃淡やサイズのメリハリが中途半端であることが多い。少し離れて俯瞰して見たり、目を細めてぼんやり見たりすることもある。

美しいデザインには美しい余白が必要

カッコいいな、素敵だな、そのように感じてつい見てしまうデザインには、余白が美しいという共通の特徴がある。あえて余白をつくるというのは勇気がいることでもある。新聞広告の全国紙なんかだと「この余白がン千万かよ!? 尋ね人(古!)にでも使ってもらったほうが社会のためじゃね?」と思われる方もいるだろう。しかし、広告はラブレターなのである。伝えるために必要な余白なのだ。

狙って美しい余白をつくるというのはプロでも高い技術がいる。しかし、作業途中で偶然できちゃうこともままある。そんな美余白に気がついたら、「空いちゃってるから、大きくしよう、何か入れなくちゃ」ではなく、その余白を生かすことも選択肢としよう。

理想は1ページ1ビジュアル

文字よりも先に目に入るのが写真やイラストなど。これも大きい方が目に入りやすいが、文字に比べて写真は、小さくとも興味がある人物や食べ物にパッと目が行きやすく、記憶にも残りやすい。理想は1ページ1ビジュアル。情報を追う目が迷いようがないからだ。
グラフやチャートも目をひく要素として活かしたい。ところが最近のペーパーやスクリーンで、1ページにグラフが3点も4点も入ったうえに小さな文字でみっちり説明文、というものをよく見かける。理解しやすくするためのビジュアルのはずなのに、ガチャガチャしてるわ、文字が小さくて読めないわ、逆効果である。作成している本人は画面で部分アップにしながら見ているから他人も見えると思うのだろうか。いや、じっくり見てもらっては困る不都合なデータとか、見せましたよというアリバイづくりとかに違いない。と邪推する。
同列の写真を数点入れたい場合は、数点を1つのかたまりとして、余白を生かしてうまく見せることができれば、1ビジュアル効果になる。

書きながら「みなさん頑張りましょう!」という自分と、「お願いだから、あまり上手くならないでね。商売あがったりだから」という、もう一人の自分がいるのも正直なところ。

ユメックス株式会社 西山耕一

ユメックス株式会社
代表取締役 プランニングディレクター/デザイナー

西山耕一

愛媛県久万高原町生まれ。血液型:O。山羊座。動物占い:ペガサス。14歳でグラフィックデザイナーを志し、21歳でデザイナーとしてプロダクションに入社。23歳で独立、30歳でユメックスを設立し現在に至る。元スタッフ10人以上がフリーランスまたは会社を設立し、心強いパーティを形成。お気に入りの言葉は「デザイナーの仕事はラブレターの代筆」。

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#03 「プロダクトデザインにもラブレターは宿るか」
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#05 企業のシンボルマークについて
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